Kビル 広島市中区光南

 

全室空室。入居者を長年募らない古ビル

築40年、3階建の古いビル。「自分の親が所有していた時期から入居者を募っていませんでした」と話すのはビルオーナーのK様。3階建てのうち、1階は美術系の大学生にギャラリーとして貸していたが、2階・3階の住居部分は全室空室だった。そんなとき、リノリノがビルの再生を手がけていることをテレビで知り、1棟まるごとリノベーションを依頼した。
 1階に芸術系の学生が集まってくることから″おしゃれな若者″が集うイメージでプランニング。住居部分は和室から洋室に、窓はレトロな鉄のサッシをそのままアクセントとして残した。押入れ部分は1面だけアクセントクロスを貼って、遊び心をプラス。あえてドアをつけないことで圧迫感をなくしながらコストダウンも実現している。キッチンはかわいらしくシンプルな白を選択。床材との色の調和も抜群だ。外壁は風合いを出すため、ローラーではなくあえて吹付けにし、つるっとした質感ではなく、珪藻土で塗ったような質感が出るように仕上げている。ほとんど住居として使われていなかったため、電気配線から配管まですべてのインフラを入れ替え、雨漏りの修理も行った。


 

「もう決まったん!?」募集開始当日から入居の申込み

1~2人暮らしの20代社会人の賃貸入居者を想定した45㎡前後・2DKの住居部分は、募集開始当日から入居申込があった。1階がギャラリーということもあり、募集後すぐに″おしゃれな若い人″で全室満室となった。「同じくらいの層の人がはいるのはすごく大切。価値観が一緒だからトラブルも少ないし、安心感があります」とプラン担当した若林さん。「話には聞いていたけど、こんなにも早く入居者が決まるのはビックリしました」とK様も驚いた様子。若者が集い、アートイベントを通じて交流が深まるビルがここに誕生した。
DATA
建築根数 鉄筋コンクリート造3階建
築年数  43年
施工面積 258.42㎡(78.17坪)
工事費用 1200万